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大和田 仁*; 三原 守弘; 黒木 泰貴*; 有本 邦重*
JNC TN8400 2000-027, 19 Pages, 2000/08
セメント系材料と地下水とが接触することによって発生する高アルカリの浸出液の流れ(高アルカリプルーム)が、高レベル放射性廃棄物及びTRU廃棄物の処分場周辺の環境に及ぼす影響のうち、岩盤への影響を調べるため、変遷初期及び中期のセメント系材料からの浸出液を模擬したアルカリ溶液および低アルカリ性セメントの実浸出液(LW)への花崗岩の80での浸漬試験を行った。浸漬前後の浸漬液の組成及び岩石の鉱物組成を調べたところ、模擬浸出液を用いた試験では、花崗岩に含まれる長石類等からのSi及びAlの溶出とC-S-Hの析出とが確認された。このことによって、高アルカリの浸出液によって、処分場周辺の岩石が影響を受け、核種の移行遅延効果に影響を及ぼす可能性があることが明らかとなった。一方LWを用いた試験では、岩石からの成分の溶出は観られず、液相のSi,AlおよびCaの減少が確認され、C-S-H、C-A-S-H等の2次鉱物として析出したことが示唆された。これらの結果から、高アルカリプルームは岩盤との反応による透水係数の変化や、2次鉱物の析出による分配係数の変化などの処分環境の変化の原因となる可能性があることが分かった。これに対して、LWでは、比較的短期間に花崗岩との平衡に達するので、前述のような処分環境への影響は比較的小さく、またその影響の及ぶ範囲も狭くなることが考えられた。
大越 実
JAERI-Review 97-009, 32 Pages, 1997/08
低レベル放射性廃棄物の埋設処分施設の人工バリア材として使用される鉄筋コンクリートの劣化要因及び劣化速度の評価手法について、文献調査を実施するとともに、その調査結果を基に劣化速度の試算を行った。その結果、主要な劣化要因としては、鉄筋の腐食、水酸化カルシウムの溶出、硫酸塩による侵食、凍結溶解及びアルカリ骨材反応を考慮すれば十分であることがわかった。また、調査結果及び試算結果によれば、製作時における品質保証及び品質管理が適切に実施されれば、鉄筋コンクリート構造物は、相当長期間にわたってその健全性を維持することができるものと考えられ、米国等において要求されている処分施設としての寿命期間である500年を十分満足するものと判断された。
not registered
PNC TJ270 82-02, 160 Pages, 1982/10
この試験は、高速炉で高温Naが漏洩した場合のNaとコンクリートの反応性に関する知見を得るために行ったものである。コンクリートの骨材は、「もんじゅ」での使用が考えられている硬質砂岩を、セメントは、フライアッシュB種セメントを使用した。作製したコンクリートは、コンクリート配合選定試験の結果、十分設計基準を上廻っていることが確認された。Na-コンクリート反応は、Na温度が約530を越える頃から始まり、一旦始まると人為的にコントロールすることができなかったが、約1時間後には反応が停止した。Naのコンクリート中への侵食速度は、脱水コンクリートの方が、普通コンクリートより大きかった。Na-コンクリート反応の反応生成物は、穏やかな反応で終始した時はNaOHが生成しており、激しい反応が起こった時は上層に黒色生成物が、下層に灰褐色生成物ができていた。黒色生成物は水に対して発火性があり、灰褐色生成物は水とは反応しなかった。コンクリートの構成成分であるSiO2,Al2O3及びCaOとNaの反応性を調べた結果、SiO2が最も反応性に富み、Al2O3はNaOH共存下で反応し、CaOは全く反応しなかった。Na-コンクリート反応後のコンクリート強度は、反応前と比べて圧縮強度が5976%に静弾性係数が3090%にそれぞれ低下していた。